Q1.相続手続きでは、具体的に何をすればいいのでしょうか?


 A.相続が開始した場合は、まず下記の届出が必要になります。

  項 目  期 限  窓 口       提出書類
死亡届死亡を知った日から7日以内死亡者住所地の市区町村役場死亡診断書など(死亡届により埋葬許可証が発行される)
埋葬 寺院・墓地管理事務所埋葬許可証(市区町村役場で交付)
年金の停止厚生年金は10日以内、国民年金14日以内死亡者住所地の年金事務所年金手帳、死亡を証する書類、死亡者との身分関係を明らかにする書類
寡婦年金、遺族基礎年金、死亡一時金の受け取り請求5年以内(死亡一時金は2年以内)市区町村役場申請書、受給資格を証明する書類。
葬儀(埋葬)費用の受領2年以内国民健康保険は市区町村役場死亡を証する書類、保険証、印鑑、振込先口座番号、葬祭(埋葬)費用の領収書など
高額医療費還付手続き2年以内同上領収書、保険証、振込先の通帳、印鑑
生命保険受取請求3年以内(具体的な取扱いは各社に問い合わせ)生命保険会社のお客様窓口(簡易保険は郵便局)死亡保険支払請求書、保険証書、死亡診断書、被保険者の除籍謄本又は住民票、請求人の戸籍謄本、契約時の印鑑、印鑑証明書など

        

 また、相続手続きとして、次の手続きも必要になります。

  項 目 窓 口           提出書類
土地・建物などの不動産の所有権移転登記不動産所在地管轄の法務局相続登記申請書、相続人全員の印鑑証明書、被相続人の戸籍・除籍謄本・原戸籍謄本・除籍住民票、相続人全員の戸籍謄本・住民票、固定資産評価証明書、遺産分割協議書
預貯金名義変更銀行・ゆうちょ銀行窓口銀行・ゆうちょ銀行所定の請求書、相続人全員の印鑑証明書、被相続人の戸籍謄本(除籍謄本)、相続人全員の戸籍謄本・住民票、被相続人の預金通帳と届出印、遺産分割協議書
株式の名義変更取引口座のある証券会社所定の手続書類、被相続人の戸籍謄本(除籍謄本)、相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書、遺産分割協議書
生命保険の受取人の名義変更保険会社所定の名義変更請求書、保険証券、契約者の本人確認書類
携帯電話の名義変更電話会社死亡の事実及び相続関係が分かる書類、承継者の本人確認書類
固定電話の権利の承継死亡の事実及び相続関係が分かる書類、印鑑
電気・ガス・水道・NHK受信料の名義変更各会社の窓口通帳、印鑑、領収書控え(郵送や電話、インターネットで可能な場合も)
自動車名義変更死亡者住所地管轄の陸運局死亡者の戸籍・除籍謄本・原戸籍謄本、相続人の戸籍謄本・印鑑証明書、車検証、自賠責保険証、保管場所証明書(使用本拠地が変わる場合)
クレジットカード・各種会員権返却加入各社窓口加入各社窓口に問い合わせ

 ご不明な箇所がありましたら、お気軽にお電話ください。

 
 Q2.相続手続きは何から手をつけていけばいいのでしょうか?


 A.遺言がない場合は、遺産分割が決まらなければ故人名義の預貯金をおろしたり、土地を売却したり、相続財産を処分することもできません。よって、相続人による財産分けをまずは行うべきといえます。

 <遺産分割協議を進める流れ>

1.まとめ役を決めて、協力体制をつくり、相続財産の把握や各相続人の考えなどの情報を集める。

     ↓

2.相談役・後ろ盾を見つける(行政書士・税理士・司法書士などの専門家の選任も検討)

     ↓

3.法律的な手続きを確認する。

     ↓

4.財産目録を作成する。

     ↓

5.相続人間の大きな合意を取っていく(誰が祭祀を承継してお墓を守るのか?、誰が老親の面倒をみて、介護するのか?、借入金があればどのように返却していくか?など)

     ↓

6.個々の相続人の気持ちを考慮しなががら、たたき台をつくる。

     ↓

7.各相続人の了承をとり、遺産分割協議書を作成し、署名・捺印してもらう。

 
 Q3.故人名義の預貯金の処理はどうすればいいですか?


 A.故人名義の預貯金口座は、相続人が銀行に死亡を申し立てなくても停止されるのが一般的です。

 のちのち相続でもめた時に、その渦中に巻き込まれたくないという金融機関の意向も含めた、遺産保全のための措置です。

 そのため、預貯金を引き出すには一定の手続きが必要になっています。

 一般的には、以下の流れになることが多いようです。

1.取引金融機関の窓口に申し出る。

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2.案内の郵送(申出から約1週間)

     ↓

3.必要書類の準備

     ↓

4.必要書類を持参して、取引金融機関窓口へ。

     ↓

5.銀行側が必要書類・事項を確認

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6.手続き完了(5から約1週間で相続人口座へ振込み)

*銀行の場合は、申出の受付から必要書類などの案内が郵送されてくるまで約1週間、必要書類提出から入金まで約1週間かかります。さらに、必要書類の準備も加わるので、手続きの完了までには1ヶ月はみておいた方がいいでしょう。