建設業者の財務分析 (Y点アップ対策 ) |
現在の経営事項審査における財務分析(Y点)の指標は、下記の4つに区分されています。
(1) 負債抵抗力 ( ①純支払利息比率 ・ ②負債回転期間)
(2) 収益性・効率性 ( ③総資本売上総利益率 ・ ④売上高経常利益率)
(3) 財務健全性 ( ⑤自己資本対固定資産比率 ・ ⑥自己資本比率)
(4) 絶対的力量 ( ⑦営業キャッシュフロー ・ ⑧利益剰余金)
指標の名称 | 優劣の方向 | 最高値 | 業界の平均値 |
① 純支払利息比率 | ↓ | -0.3% | 0.5% |
② 負債回転期間 | ↓ | 0.9ヶ月 | 4.0ヶ月 |
③ 総資本売上総利益率 | ↑ | 63.6% | 17.0% |
④ 売上高経常利益率 | ↑ | 5.1% | 1.0% |
⑤ 自己資本対固定資産比率 | ↑ | 350.0% | 90.0% |
⑥ 自己資本比率 | ↑ | 68.5% | 25% |
⑦ 営業キャッシュ・フロー | ↑ | 15.0 | ― |
⑧ 利益剰余金 | ↑ | 100.0 | ― |
(注)
1.優劣の方向の↑ は値が大きいほど、↓ は値が小さいほど望ましいことを示しています。
2.業界の平均値は大まかな目安値を参考に挙げたものなので、厳密には業種や経営規模によって異なります。
対策と8個の指標の効果 |
≪ 改善対策例 ≫ | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ |
金銭出資をする | ↓ | ↑ | ↑ | |||||
固定資産を現物出資する | ↓ | ↑ | ||||||
流動資産と流動負債を同額減少させる | ↑ | ↑ | ||||||
固定資産を売却し負債を圧縮する | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ||||
原価を節減し、同額流動資産を増やす | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | |||
流動資産を減らし、特別損失に計上する | ↑ | ↓ | ↓ | ↓ | ||||
固定資産減少を特別損失で処理する | ↑ | ↓ | ↓ | ↑ | ↓ | |||
負債を特別利益に振り替える | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ||||
支払利息を節減し、同額流動資産を増やす | ↑ | ↓ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ |
*各対策はすべて評点(Y)を向上させますが、どの指標に作用するのかは上記の↑ ↓ で分かります。