契約書の作り方(これから営業活動を行う会社の方向け‐企業法務対策
 
      契約書が必要な理由
 
 
 個人事業主または会社の社長として、これから営業活動を行おうとする場合、「知りませんでした」では通用しないケースがいろいろと出てきます。
 
 ここでは、その一つとして、「契約書」を取り上げます。
 
 
訪問販売(店舗以外の場所での取引。対象はかなり広い。)
 
通信販売(消費者がテレビ、メール、ホームページ、カタログ等を見て、郵便や電話、ファックス、インターネット等を通じて購入の申込をする販売形態)
 
電話勧誘販売に係る取引(業者が消費者の自宅や職場へ電話をかけて商品等を売り込み、それにより消費者が電話・FAX・メールといった通信手段で申し込む販売方法)
 
連鎖販売取引(商品を販売しながら会員を勧誘するとリベートが得られるとして、消費者を販売員にして、会員を増やしながら商品を販売していく商法)
 
特定継続的役務提供に係る取引(例:エステティックサロン、語学教室(英会話など)、学習塾、パソコン教室、結婚相手を紹介するサービス、家庭教師など)
 
業務提供誘引販売取引(例:内職商法、モニター商法)
 
 
 上記の業務を行う場合には、お客様にクーリング・オフについて記載した契約書を提示しなければ、行政規制による処分刑事事件として罰金・懲役が科せられるおそれがあります。
 
(1)行政規制
 特定商取引法では、事業者に対して、消費者への適正な情報提供等の観点から、各取引類型に応じて、以下の①~④のような規制を行っています。
 特定商取引法の違反行為は、業務改善の指示や業務停止命令の行政処分の対象となる他、一部は罰則の対象にもなります。
 
① 氏名等の明示の義務付け
② 不当な勧誘行為の禁止
③ 広告規制
④ 書面交付義務
 
(2)民事ルール
 特定商取引法は、消費者と事業者との間のトラブルを防止し、その救済を容易にするなどの機能を強化するため、消費者による契約の解除(クーリング・オフ)、取消し等を認め、また、事業者による法外な損害賠償請求を制限するなどのルールを定めています。 
 
 クーリング・オフ
 特定商取引法は、「クーリング・オフ」を認めています。クーリング・オフとは、契約の申込み又は契約の締結の後に法律で定められた書面又は電磁的記録(令和4年6月改正)を受け取ってから一定の期間内に無条件で解約することです。
 
 意思表示の取消し
 特定商取引法は、事業者が不実告知や故意の不告知などを行った結果、消費者が誤認し、契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときには、消費者がその意思表示を取り消すことができる旨を規定しています。
 
 損害賠償等の額の制限
 特定商取引法は、消費者が中途解約する際など、事業者が請求できる損害賠償額に上限を設定しています。
 
 
 契約書を初めてご準備する際、「自分の会社は何かに引っ掛かるかな?」「どうしても気になることがある」・・・・という社長や個人事業主の方は、特定商取引法やクーリング・オフ制度に詳しい行政書士や弁護士にご相談することをお薦めします(実際にトラブルを発生させてしまった後では、相談されてもどうにもならなかったり、多大な費用がかかりがちです)。
 
 *会社の社長や経営者は、決断力が問われる時代です。しかし、決断できる資料や根拠がなければ、勘や経験に頼りがちです。
 
 
 

 
     事業者が知っておくべきこと

  特定商取引法は、特定商取引(上記の①~⑥)を行う事業者に対して、広告や書面の交付、不当な勧誘の禁止、クーリング・オフ、中途解約権の保障といった様々なルールを設けています。
 
 =特定商取引法で規制される主な商法=
  取引
  規制される主な商法
 クーリング・オフされる期間
 訪問販売
 ・押売り(自宅に突然訪問してきて商品を販売する方法)
 ・キャッチセールス(駅前・街頭といった場所で目的を隠して営業所に勧誘する商法)
 ・アポイントメントセールス(販売目的を隠してメール・手紙などで誘い出す商法)
 ・催眠商法(会場に誘い出した客を話術や雰囲気で高揚させ、商品の販売を行う商法)
 
 
  8日
 
 
 
 電話勧誘販売
 ・資格商法(家庭や職場に電話を掛けて資格取得を勧誘を行い、電話中に契約を結ばせたり、申込書を郵送させたりする販売方法)
 特定継続的役務提供
 ・無料体験商法(無料体験を誘い文句に客を誘い出し、エステ、英会話教室、学習塾といったサービスの受講契約を結ばせる商法)
 連鎖販売取引
 ・マルチ商法、マルチまがい商法(商品等を購入して入会し、新たに入会者を紹介すると手数が入るシステムで組織を拡大させる商法)
 
  20日
 業務提供誘引販売取引
 ・内職商法、モニター商法(収入が得られる仕事を提供するが、その仕事に使うことを理由に商品を販売する商法)
 通信販売
 ・電話やインターネットといった通信手段を利用して広告することで販売業者と対面せずに契約させる商法
 
  なし
ネガティブオプション
 ・送り付け商法(注文していない商品を一方的に送り付け、後から代金を請求する商法)

  




 
     契約書・領収書と印紙税

 
 印紙税は、「契約書」「手形」「領収書」など、下記の印紙税額一覧表に掲げる文書に対して課される税金です。
 
 印紙税は、これらの文書を作成した人が、定められた金額の収入印紙を文書に貼り付け、これに消印して納付します。
 
 建設業者(例えば、太陽光発電設置工事など)が設備を設置・工事・販売したような場合には、契約書に工事部分と商品部分をきっちり区分明記してあれば、工事部分のみ印紙税がかかります。これに対し、工事と商品の総額のみ契約書に明記している場合は総額に印紙税がかかります。
 


       報 酬 額
 
 
 
     項 目  報酬額(税込み)
  契約書作成(定型的)  55,000円~
  契約書作成(特殊、特約付き)  77,000円~
 
 *契約書原案をメールでご確認いただき、ご了承いただいた後にCD-Rをお渡ししています(報酬額と同時引渡し。遠方の方は、ご入金後に送付しています。)