民間工事が少ないと言われる地方の建設業界では、 大半の業者が今までは、公共工事(特に土木工事を中心に)主体で生きてきたと言われています。
そのため、同業他社との競争は、コストや技術による差別化が極端に少ない状態だったと言えます。
よって、多少の苦労はあっても、ほとんどの会社は他の業者と同じことをしていれば、会社が存続することが可能と言われてきました。
その地方経済を支えてきた公共工事が、いま全国各地で激減しています。
「令和元年建設見通し」(国土交通省)によると、1992年には約84兆円だった建設投資(わが国の全建設活動の実績を出来高ベースで把握したものです)が、2010年には半分程度の約42兆円になっています。
もっとも、東日本大震災からの復興等により、その後回復傾向とはなっています。
(2019年-約65兆円、2020年-約63兆円、2021年-約63兆円(見通し)。
なお、民間工事の住宅着工戸数は、1990年には約166万戸あったのが、2020年には約81万戸と、50%以上の大幅減となっています。
*2018年度の住宅着工戸数は95万戸、2019年度は88万戸。
公共工事激減の最大の原因は、政府・自治体の財政危機にあることは間違いありません。しかし、社会構造の変化に伴い、従来、公共投資に託されてきた景気対策や所得再分配などの役割が機能しなくなったことも要因として大きいと言えます。
今までの公共工事建設業界における成功原理である、 政治・行政に密着し、同地域の同業者とのつながりを重視し、目立ったことはしないといった過去のロールモデルは以前ほどは通用しなくなるでしょう。
なぜなら、時代や環境が変わってきているにもかかわらず、過去の知識や成功体験、業界の常識に寄りかかることは、現在の需要に適応(アジャスト)していないからです。
特に、最近はグローバルスタンダードやコンプライアンスなど過去にない環境変化が増えてきています。 現実社会に迅速かつ的確に対応することが大変難しくなってきていることを実感している方も増えていると思います。
このような21世紀の建設業界で生き残るためには、時代の変化に合わせて考え方を変えたり、従来の思考パターンを修正したり、他社との差別化やアピールの仕方がますます重要になってくると思われます。
地域密着を目指す場合は、本当に地域に必要とされる企業として生まれ変わり、地域で求められているものが何かを本気で追求して取り組むことが必要です。
*過去のロールモデルが通用しなくなるということは、経営者(社長)の決断がますます重要になってくるということでもあります(現実の社会は、何が正解だったかは後になってみないと分からないことだらけです)。
1年後、3年後、5年後にどういう方向性をもって経営していくのか、今まで通りの方法でいくのか、今までに培った技術力・営業方法を変更・修正するのか、新しい業種に参入するのか(例えば、今までは内装仕上げが中心だった会社が、塗装や水廻り関係まで行ったり、管工事中心だった会社が電気工事まで行うようにする等)、新しい取引先と今までの取引先のどちらを重視するか、建設業以外の他業種に参入するか、従業員を雇うのか、それとも外注で行うのか、消費税アップにどのように対応していくのか、金融機関からの借入れ方法など決断を迫られる機会は今後ますます増えていくと思われます。
【建設市場の変化と企業への影響】
外 的 変 化 | 建設業界への影響 |
分 野 | 変化のまとめ | 建設市場の質的変化への対応 ・ ・ ・ ・ 技術力・プレゼンテーション力・営業力の重視&差別化の進展 ・ ・ ・ ・ 技術革新と生産性の向上 ・ ・ ・ ・ CSR・コンプライアンス等、目に見えない部分の社会的責任の遂行 |
建設市場 | 公共投資 | 公共投資の減少は避けられない。しかし、都市再生、高齢化社会対応、災害対策、安全保証対応等の事業は増加! |
PFI等の新たな発注方式が増加。企画提案等を含めた総合的な対応が必要となってくる。 |
既存社会資本の維持・補修・管理の需要は増加! |
民間設備投資 | 従来型の民間設備投資の大幅な伸びは期待できない。 |
研究開発・高付加価値志向型の設備投資は増加。 |
エンジニアリング・環境分野の建設需要は増加! |
住宅投資 | 量的拡大は期待できないが、都心回帰や質的向上へのニーズは増大。 |
当面は団塊ジュニア世代の需要がインパクトとなる。 |
ライフスタイルに合わせた住宅に対するニーズが高まる! |
海外市場 | 中国・アジア地域を中心に旺盛な建設需要が見込まれる。 |
競争が激化。海外資本企業との差別化が必要な地域も。 |
企業経営 | 技術力・営業力・信用等による業者の差別化が加速する。 |
新たな建設需要(リサイクル、リフォーム、新技術、環境等)や発注方式の変化(電子化等)への対応力が必要となる。 |
得意分野への選択&集中が進展する。 |
企業経営の透明性確保・ISO認証・社会的責任(CSR)・コンプライアンスが厳しく問われる。 |
生産体制 | コスト削減への圧力が高まる。デフレ状況下から顧客志向に対応していく。 |
国内生産年齢人口の減少に向けた備えが必要。特に、地方は過疎化が進んでいることから新規分野よりも既にある建築物の維持・補修等にも力を入れる。 |
原材料費の高騰に対応した事業経営を展開する必要あり。又、消費税アップに対応した事業を検討。 |
環境保全への取り組みが強化される。 |
売上高10億円未満の地方の中小建設会社は、公共工事
の激減と、民間需要への転身が容易でないなどの理由から、疲弊の度合いが高いと言われています。 ただ、公共工事激減のなかで人員リストラを極限まで進めてきたため固定費が少なく、また家業の色合いが濃いため個人的な資産を蓄えており、疲弊度の割には破綻が少ないのが特徴です。
しかし、材料費の高騰化、人件費アップ、2012年度から法改正が行われている社会保険加入の義務化の促進など会社経費の増加が予想されます。
特に、2017年から社会保険に加入していない社員は現場に入れなくなったという話を聞く機会が増えました(2020年からは、建設キャリアアップシステムの加入を要求される会社が増えています)。
又、外国人の採用、技術者の高齢化、人手不足等・・・いろいろな要因が絡み合い、その疲弊も限界に近づいていくでしょう。今後、淘汰される業者の数は雪だるま式に増えていくと予想されています。
2023年10月1日からは、インボイス制度(消費税の仕入税額控除の方式)が導入されますので、「適格請求書発行事業者」から仕入れ等を行わなければ「仕入税額控除」を使えないことになります。
つまり、免税事業者(一人親方的な個人事業者の会社など)の方は、元請会社から仕事がまわってこなくなる可能性が高いと思われます(元請会社が免税事業者へ仕事を発注すると消費税を多く納めなければならなくなるため)。
このような状況においても生き残っていける地方の中小建設会社の将来像は、次の3つになると思われます。
1.建設サービス業(民間需要の受注中心モデル)への転身。建設ビジネスの2大要素である受注と施工のうち、もっぱら受注に専業特化して事業を行う、顧客志向の強いサービス業的発想の建設会社(分譲住宅販売、リフォーム等の元請スタイル)。
2.施工サービス業(受注は元請けにまかせ、施工に特化するモデル)への転身。工事の手順や人員配置などを工夫することで施工のスピードアップを図り、工期を短縮することにより重機のレンタル料や警備コストの削減、現場数をこなすことで従来以上の利益を確保する(ゼネコンや元請からの一次、二次下請等)。
3.職人的な業者(いつの時代であっても現場の施工を担う職人的な業者は欠かせません。いわゆる「腕のいい職人さん」。たとえ独立した経営体でなくなったとしても、消えることはないと思われます)。
上記の1.2.は、いままでのビジネスモデルと異なる会社が多いと思われますので、綿密な計画が必要になってきます。それに対して、何も計画しなかったり、モデルチェンジしなければ、上記の3.に移行していく会社が多くなってくると思われます。
* もっとも、地方における建設業者の経営的視点からすると、民間中心の会社も、業種によっては公共工事をいつでも受注できる準備はしておいた方がいいように思います。
例えば、とび・土工・コンクリート工事、防水工事、電気工事、管工事、造園工事、解体工事などは小さな自治体においても、年に2、3回以上は工事の発注が行われています。
また、いったん市町村の工事を受注し、信頼を得ると、小規模な工事を随意で請けることも増えてきますので、検討に値するとは思います。
1995年の公共工事ピーク以後、建設投資は年々減少
の一途をたどってきましたが、そのような状況下でも業者数は高止まりを続けてきました。つまり、建設業界の需要&供給のバランスは完全に崩れたということです。 そこで、その打開策として、2004年に国土交通省は建設業界の再生方針を打ち出しています。
その中核となったのが、「新分野進出」と「企業連携」でしたが、そこには需要供給バランス改善のための「業者数減らし」があったと言えます。
その結果かどうかは分かりませんが、建設業の許可業者数は減少しています。1999年には60万社を超えていたのが、倒産または廃業のため減少し、現在(2022年3月末時点)は475,293社となっています。
*令和3年度中に新規に建設業許可を取得した業者は18,806社、失効した業者は17,465社となっています。
*福岡県の建設業許可業者は21,330社(全国6位)。
【 資本金階層別業者数】(令和4年3月末現在)
資本金階層の別 | 許可業者数 | 構成比 | 累積構成比 |
① 個人 | 70,920 | 14.9% | 14.9% |
②資本金:200万円未満 | 25,488 | 5.4% | 20.3% |
③資本金:200万円~300万円 | 5,739 | 1.2% | 21.5% |
④資本金:300万円~500万円 | 104,096 | 21.9% | 43.4% |
⑤資本金:500~1,000万円 | 89,525 | 18.9% | 62.2% |
⑥資本金:1,000~2,000万円 | 99,510 | 20.9% | 83.2% |
⑦資本金:2,000~5,000万円 | 62,373 | 13.1% | 96.3% |
⑧資本金:5,000万円~1億円 | 12,238 | 2.6% | 98.9% |
⑨資本金:1億円以上 | 5,404 | 1.2% | 100% |
「新分野進出」については、今後、需要が大きくなると見込まれる農業や林業、廃棄物処理などの環境関連事業、健康・介護福祉分野などの新しい事業分野への転身が考えられます。しかし、今までの経験やノウハウが生かせない全くの異業種への転身は難しいと考える方が多いとも言えます。
「企業連携」については、複数の企業による合併や会社分割、株式交換、組合などを活用した協業化などが考えられます。
いずれにしろ、国や自治体は、価格や建設業界の景気変動は、需要と供給のバランスの崩れから生じているとして、業者数を減らしていきたいと考えているようです。
しかし、建設業でがんばっていきたい方・能力のある方からすれば、「はい、そうですか」と廃業するわけにはいきません。
民間工事の受注を中心とするビジネススタイルに転身するからには、綿密な計画に基づき、競争に対応していかなければなりません。
建設業は特殊だといっても、産業の一つであることには変わりありませんので、「マーケティング」などを駆使して経営スタイルを模索していく必要があります(とは言っても、建設業界はゼネコンを筆頭に、他の産業に比べて広告宣伝費の割合が低いと言われる業種ではあります)。
ちなみに、新聞広告やチラシなどで、「水道工事や塗装工事、屋根工事、たたみ・ふすま工事、太陽光パネル設置工事・・・などを直接請け負います」という広告を見る機会が増えています。又、ハウスメーカーや建設業者の一戸建て住宅の新聞チラシが毎週末に入っています。
これは市民の方を直接のお客様として元請工事をするものです。まさに民間工事の受注を目的とした営業スタイルです。
このチラシによる営業方法についてのノウハウ本などは、本屋でも多く販売されています(それだけ建設業者からの需要がある証拠です)。
① 手書きや白黒でもいいから誠意が伝わるものにすること。
② 職人さんの写真やイラストを入れて、安心感を与えること。
③ 報酬や必要費用を分かりやすく、明確にすること。
などを掲載している本や雑誌が多い印象があります。
また、最近では会社のホームページを作る会社もかなり増えてきている印象があります。建築一式、リフォーム、塗装、水回りの設備関係、電気工事(太陽光発電システム、エコキュート含む)などの業者さん等が特に多いのではないでしょうか。
営業方法には正解がありませんので、まずは自分がいいと感じた方法から取り組まれるのも一つの方法かもしれません。
(1)マーケティング・プランニング
マーケティング・プランには6つのステップがあります。
1.状況分析:自社を取り巻く環境について検討する。
↓
2.目標:状況分析の結果をもとに目標達成の予定を立てる。
↓
3.戦略:目標達成に向けたもっとも効果的な方法を選ぶ。
↓
4.戦術:戦略を達成するための施策を決定する。
↓
5.予算:目標達成に必要な諸費用を合計し、策定する。
↓
6.管理:プランの進捗状況を確認する具体的な方法や基準を定める。
この理論は、マーケティング分野の世界的な第一人者であるフィリップ・コトラーによるものです。企業はこの6つのステップをバランスよく実現することがとても大切だとしています。
しかし、コトラーによれば、多くの企業が、自社のデータ分析はしっかり行っているが、それが戦略・戦術に生かされてなかったり、逆に、根拠なく過大な目標を立てたりしていると述べています。
(2) マーケティングの最適化
S → T → P → MM → 4P
① S (セグメンテーション:Segmentation)
まず、対象となる市場を分類、類型化します。
(例)福岡市内の個人住宅リフォーム業を行う。もっと具体的には、福岡市内に限定するのか、それとも福岡市近郊や久留米市、北九州市も行うのか?近隣の佐賀県、大分県まで広げるのか?
また、若い家族を対象にするのか、子どもが独立した夫婦世帯を対象にするのか?
② T (ターゲッティング:Targeting)
次に、狙いを絞り込みます。
(例)個人住宅のリフォーム業といってもいろいろあります。内装をメインにするのか、増築等の設計も含むものまで行うのか、水回り・タイル・屋根・外構・太陽光パネルなど総合的に行うのか等でまったく違ってきます。総合的に行う場合は、自社でできない分野を他社に下請けする必要が出てきます(元請になる場合は必ず労災保険に加入するよう気をつけましょう。労災などに詳しくない場合は、信頼できる行政書士や社労士にご相談することをお薦めします)。
*上記①②は、重なる部分がありますが、ターゲッティングで重要なのは、日々曖昧模糊としていたり無意識にしていることを明確に意識することにあります。このことにより効果が倍増することがありますし、ビジョンが明確になり、会社の今後の立ち位置が定まりやすくなります。
③ P (ポジショニング:Positioning)
自分の立ち位置を定めます(ここが実はもっとも大事なのかもしれません)。
つまり、「決意」です。
*もっとも、ポジショニングも、「3ヶ月間、宣伝などを集中的に行う」とか、「6ヶ月間、徹底して営業に徹する」等、期間を決めて行い、思ったほどの成果が出ない場合は、次の方法を選択することも必要です。
*上記 ①~③を各工程の頭文字をとり、「STP分析」 と言うこともあります。
④ MM (マーケティング ミックス)
最適化を図ります。
⑤ 4P (Product:製品戦略、Price:価格戦略、Place:流通、チャネル戦略、Promotion:販売促進戦略)
Product&service(製品)
・顧客はあなたに何を求めるのか?
・その要求を満たすには、あなたにはどんな特徴が必要か?
・顧客はどこで、どうやってあなたに依頼するのか?
・あなたは同業者とどう違う(差別化)のか?
・コストは?十分な採算が採れるのか?
Price(価格)
・買い手にとってあなたの価値は?
・価格の顧客の反応は?
・同業他社と比較して魅力的な価格か?
Place(流通)
・顧客はどこであなたを探すのか?
・どうやって販売網を構築するのか?
・どのようにして販促するのか?セールスマンによってか、展示会か、インターネットか?
・競争相手はこれらをどうしているか?差別化できるのか?
Promotion(販促)
・いつ、どこで顧客にメッセージを伝えるのか?
・どのようにして宣伝を届けるか?
・販促をする最適なタイミングは?季節、曜日、時間を考慮する必要があるのか?
・競争相手はどのような販促をしているか?それは自分の販促の方法に影響を与えるか?
*すべてきっちりとクリアしている業者さんはいらっしゃらないと思います。自社の長所・短所を具体的に見詰めることで、今後の戦略や見通しが見えてくればと思います。
1.マクロ環境
マクロ環境とは、自社を取り巻く環境のうち、企業側からのコントロールができないものです。
たとえば、政治、経済、法律、文化などがあります。
マクロ環境を分析し、それぞれの環境におけるトレンドを見極めることで、多くのビジネスチャンスが生まれます。原子力発電所事故以来、自然エネルギーへの転換が予想されていますので、太陽光発電事業や風力発電事業などへの参入業者が今後は増えていくと思われます
(太陽光発電関係も最近は頻繁に変更が行われていますので、あまりに集中的に投資・選択することも危険です。バランス、リスク対策の必要もあります。経営者の判断が試される部分でもあります)。
東日本大地震後から5年後には熊本地震があり、近年は自然災害が増えていますので、災害対策に対応できる建設会社の需要がますます高まるでしょう。
又、建設投資が年々減少の傾向にある一方で、建築物のリフォーム・リニューアル投資は今後増加することが見込まれています。
国土交通省が公表している「令和元年度建設投資見通し」によれば、人口減少・少子高齢化・財政制約に加え、東日本大震災を契機としたエネルギー制約などを背景に、近年、既存のストックの長期使用を重視する傾向が強まっています。
今後は、過去に施工した大型建築物がリフォーム・リニューアルの時期を迎えることも見込まれ、リフォーム・リニューアル投資市場は拡大していくと見込まれています。
<建築物リフォーム・リニューアル市場投資額の推移>(国土交通省)
| 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
公共投資 | 16,758 | 16,574 | 14,331 | 13,732 |
民間投資 | 79,766 | 82,726 | 82,273 | 62,544 |
(単位:億円)
マクロ環境は刻一刻と変化しますが、自社でコントロールできないからといって、放置せずに対応し続けることが大切です。
2.SWOT分析
次に、SWOT分析では、自社の内部環境と外部環境について分析します。
内部環境を強み(S)と弱み(W)に、外部環境を機会(O)と脅威(T)に分けて記入します。
この作業により、自社の置かれている環境と社内の状況が一目で把握できます。
下の表は、具体例です。ポイントは、より細かく、具体的に取り上げることです。
(下記の具体例を見ると、現在は勢いがある会社なのかなと読み取れますので、今後どうしていくべきか課題などが見えてくることが分かると思います)。
強み S (例) ①営業力がある ②売上高が高い ③従業員のやる気、士気は高い ④社長のリーダーシップがある | 弱み W (例) ①技術者が少ない ②利益率が低い ③クレームが多い ④事務と現場の意思疎通が疎か |
機会 O (例) ①今までの営業地域外の仕事が増加 ②従来請ける機会が少なかったリフォーム 工事の増加 ・太陽光発電機械設置工事の増加等 | 脅威 T (例) ①原材料費の高騰 ②他業種、大手資本会社の参入 ③遠方の工事が増える等により交通費が増加 |
上記の表を参考に、取り組むべき課題を絞りこみます。
【強み】によって【機会】を最大限に生かすために、何に取り組むか?
(例) 営業力があり、社長のリーダーシップがあることを生かし、県外の地域まで仕事を増やし、支店・営業所を設置する。
【強み】によって【脅威】の悪影響を回避するために、何に取り組むか?
(例) 他県の支店・営業所の従業員は、現地採用をすることで、交通費・宿泊費削減に取り組む。
【弱み】によって【機会】を逃さないために、何に取り組むか?
(例) 技術者が少ない点をカバーするために、積極的に技術者を採用し、又、従業員には施工管理技士や電気工事士の資格取得のための支援を行う。
【弱み】と【脅威】により最悪の結果を招かないために、何に取り組むか?
(例) 大手資本会社や他業種の参入に備え、下請け工事だけでなく、地域の軽微な元請工事も積極的に行い、一本足打法にならないよう気をつける。
(例) 取引先が一社に集中しないよう、又、支払い状況の良くない会社をできるだけ減らすよう、常に気をつける。